本物のいい包丁を1本、手に入れること。
それは食材への最大の敬意であり、料理という日々の営みに礼を尽くすこと。
600年の歴史を持つ日本の打刃物の本場・堺。
この地で育まれた鋭く澄んだ切れ味を、現代の暮らしに。
1916年の創業以来、堺に根を下ろし、老舗の名に甘んじることなく、
常に最上のものづくりに挑み続ける馬場刃物製作所。
「伝統」のその先へ。料理を愛する世界中の人のために。
「人」を「良」くすると書いて「食」の字になるように、おいしい料理は人を笑顔にし、健やかにするものと考えています。
そんな料理の始まりである「切る」行為をストレスなく快適にすることが、私たちの願いです。
和食の世界では「素材を生かすも殺すも包丁次第」といいます。
刃の入れ方次第で、歯ごたえや舌ざわりが変わり、それが「味」の重要な構成要素となるからこそ。食べる人を思って包丁を握る人に、今日も会心の切れ味を。
本物の堺打刃物を、末永く世界に発信し続けたい。
だからこそ、先人たちから授かった伝統の技を、
次世代に語り継ぐことも私たちの大切な責務です。
鋼を打って鍛える鍛冶師。繊細な研ぎを重ねる刃付師。
彼ら職人と二人三脚でさらなる高みをめざし、その信頼関係でものづくりに取り組むのが馬場刃物の流儀。
これまで、不具合のあった刃を細密に化学検査し、
そのデータを職人と共有しながら鍛冶や研ぎの精度を高めてきた蓄積が、いま揺るぎない自信につながっています。
世界中から本物の堺打刃物を求める声が高まっている一方で、堺では職人の高齢化や後継者不足が深刻化しています。
そこで私たちは、職人に仕事を発注するだけでなく、自社で職人を育成するべく、2017年に自社刃付工房を設立。匠に研ぎを学び、本物のものづくりができる場で若手職人が日々自己研鑽に励んでいます。